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2020.07.21 心のこと・心理学

悲しみの中にいる時は悲しみつくす事が大切【喪の作業】について

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喪の作業

 

先週末、未来ある俳優さんである「三浦春馬さんの死」というとても悲しいニュースが飛び込んできて、未だに「突然すぎる死」を受け入れる気持ちになれない方も大勢いらっしゃると思います。
私もその一報を聞いてから、やはり悲しい気持ちで胸がいっぱいになりましたし、どうしてか心細いような寂しいような気持ちが心にひたひたしています。

 

直接面識があって親しくしていた訳ではなくとも、テレビや映画や舞台などを通して「親しみを感じていた」存在の死の知らせに、私たちの感情というのは大きく揺れ動きます。
ましてや身近な存在であれば、尚の事、感情が激しく揺れ動くことは想像に難しくはありません。

 

大切な人を亡くすと、私たちは途方にくれます。

 

死というのは「愛着」の存在を失ってしまう出来事で、深い失望や衝撃、孤独や不安を感じると同時に「喪失対象」への大きな罪悪感(なぜ気付いてあげられなかったのだろう?何を悩んでいたのだろう?何かできることはなかったのだろうか?)を感じて苦しみます。

 

大切で大事な存在を亡くした時に起きる悲嘆の反応を「グリーフ」と言います。
あまりに悲嘆が続きすぎる・自責の念が強すぎるような場合には、グリーフケアの専門機関で自助ワークショップなどに参加したり、専門家に話を聞いてもらう事も自分を助ける一つの方法になりますので、あまりに苦しすぎる場合はガマンせずに話を聞いてもらってください。

悲しみをケアしていくための「グリーフケア」の講座に参加した時に、とても印象的だった言葉がありました。

 

喪失の後には、思考や心に悲しみが「侵入してくる」

 

「侵入」してくるのですから、入り込んでくるんです。
しかも勝手に。
勝手に心の中を悲しみや孤独や不安が「入り込んで」来ているのですから、感情はぐらぐら揺れますが、それは喪失を体験した後に起きる反応なので「別れのニュース」を前にしてしばらく気持ちが落ち着かなくてもおかしなことではありませんから、悲しい・寂しいという気持ちをもったご自身の事をそっと包むように抱きしめてあげることをしてあげてください。

 

人によって心が楽になるまでの時間は違います。
また、誰かと比べられるものでもありませんが「あぁ、もう居ないんだな」と思うために納得する答えを少しずつ探していく時間のことを心理学では【喪の作業】と呼んでいて、その時間はとても大事な時間です。
今日は、グリーフケアとして【喪の作業】について少しご紹介させていただきます。

 

●悲しみからの回復のための喪の作業

 

私たちは「大切な存在の死」という大きな絶望を前にしても、また立ち直っていく力が備わっていると言われています。
通常、悲嘆反応は数か月で緩やかに治まりだし、どんなに悲しくても未来に向かってまた歩き出そうとするそうです。

けれど、これは「一般的に言われている」事だというだけであって、立ち直るまでの期間は人それぞれです。
数か月…ではなく、数年という単位を要する程に悲嘆にくれる人がいてもおかしい事ではありませんから、悲しい気持ちがある時にはそれを抑圧しようとせずに流れる涙があればたくさん涙を流してください。

 

立ち直る=悲しい気持ちを忘れるという事ではありません。

 

「いつまでも泣いているのはいけない」「早く立ち直らなきゃ」「もう考えないようにしよう」と、自分の悲しみの感情に蓋をしてしまうと、悲嘆からの立ち直りというプロセスを送らせてしまう事になることがあります。
胸の奥に寂しさや悲しさの小骨がつかえたようにいつまでも痛みを引きずってしまったり、突然思い出して心のバランスを崩すのも「悲しみを押さえ込んでしまう」事で起きてしまいます。

 

耐えがたいほどの悲しみに襲われているときは、ただ悲しみの中にいましょう。
湧き上がる悲嘆を決して抑えずに、悲しみ尽くしてください。

 

グリーフの回復は、良い日もあれば突然悪くなる日もあり、ぐわんぐわんと揺れるのが「至極普通」なので、落ち込みが激しい日が頻繁にあったとしても「しょうがないよね」と自分に言ってあげてください。

 

私たちの心が「喪の作業」の時間を経て、悲しみから立ち直る一般的なプロセスは以下のようなものだと言われています。
あくまで一般的であって、この通りではなかったりプロセスを行ったり来たりするのはよくあることですから、参考程度に「こんな感情の変化があるんだ」と思ってもらえたらと思います。

 

1.無感覚・情緒の危機(ショック状態)
喪失を知り、激しい衝撃によるショック状態で感覚が麻痺する。
「急性ストレス反応」の一種で、直後から1週間ほど続くとされる。
事実を受け止められず、呆然としたり、無感覚になったり、混乱してパニックを起すなど激しい情緒不安定になることがある。

 

2.否認・抗議
失った事実を認めようとせず、深い悲嘆と強い愛着に苦しむ。
「もうその人はいないんだよ」と、喪失を認めさせようとする者に対して怒りや敵意を覚える。
自分を置いてなぜ逝ったのかという、やり場のない空しさや怒り。 後悔や、罪悪感、自責の念にさいなまれたりする。
その他には、まだ存在していると錯覚して実生活でもそのように振る舞ったり、探し求めたり、空想の中で関係を取り戻そうとすることがある。

 

3.断念・絶望
事実を受け入れ、失ったことが決定的だと認識し、断念する。
もはや何をしてもダメだ…と絶望し、無気力になる。
愛着を持つことで支えられていた気持ちが壊れ、失意や抑うつに支配される。
孤独感にさいなまれながらも、人との交流を避けたり引きこもったりする。

 

4.離脱・再建
だんだんと感情が穏やかになり現実に直面しようとする。
亡くなったことに対しても、肯定的に物事を受け止めはじめる。
新たな環境や人との関わりの中で希望を見つけ出そうとする。
生活をたて直し、新しい自分に向けて歩き始めながら立ち直っていく。

 

これら一連の「喪の作業」は、無理に悲しみを「治す」ためのものではなく「治る」ためのプロセスです。
気持ちが前を向くまでには、情緒がうーーんと乱れますし、そんな自分を責めたりする人もいますが「心の回復」の途中なんだ、と決して揺れ動く自分の気持ちを責める事だけはしないで挙げて欲しいと願っています。

 

 ●死別体験後の感情の変化

 

死別を体験した後は、喪の作業の時間を経て少しずつ心が回復していくと言われていますが、そのプロセスの中にいる時には様々な感情の変化が同時に起こると言われています。

【ショック】
身近な人がなくなった事への驚きと混乱、悲しみ。ごくごく自然な感情。

【否認】
まさか…?嘘でしょ?!と、死を認めずに否定しようとする。ショックな出来事から心を守ろうとして起こる心の防御反応の1つです。

【怒り】
自責の念からの怒りであったり、強いストレスから身を守るために怒りという激しい感情をあえて持つことがあります。

【思慕】
夢でもいいからもう一度会いたい…というように、恋しい気持ち・会いたい気持ち・慕う気持ちが激しく募ります。

【孤独感・虚無感】
一緒に過ごした場所で「もう私の隣には居ないのだ…」と感じ、ひとりぼっちで取り残された気持ちになります。

【寂しさ】
もう二度と触れる事も話す事も出来ないと感じることで途方もない寂しさを感じます。

【後悔】
あの時この言葉を伝えておけば、あの時なんでこんな事を言ったんだろう、と取り返しのつかない状況を嘆きます。

【不安】
生きがいや支えだった人がいなくなる事で心細く、不安に苛まれます。

【逃避】
現実から目を背けるため、仕事や趣味に忙しくし、自分の声を無視します。

【罪悪感】
あの時にこうしていれば…という後悔の他に、喧嘩をしたままだったり何もしてあげなかった事を悔いて罪の意識にかられます。

【ちらつき】
亡くなった人がその部屋にいることを感じたり、道ですれ違った!などというように故人が見える現象。

 

●身近な「自死」について

 

事件・事故・病気・高齢。
私たちは生まれてきたら必ず「死」を迎えますが、どうする事も出来ない状態で自ら死を選ぶ人は毎年少なくありません。

厚生労働省による平成30年中の自殺の動機の発表内容を見ると、自死を選択する背景は、家庭問題・健康問題・経済生活問題・勤務問題・男女問題・学校問題・その他と多岐に渡っています。

 

統計を見ると「健康問題」を理由にされる方が圧倒的に多いのですが、【勤務問題】で自ら死を選んだ人はH30年では『2,018人』。
勤務とは少し違いますが、就職失敗・事業不振といった【経済・生活問題】と合わせると『5,450人』もの人が自死を選んでいます。
この数は決して少ないとは思えません。

 

勤務問題の中でも「20代~50代」までの自死を選ぶしかなかった人たちの「事由」の内訳は次のようなものでした。

 

h30-勤務問題による自殺者数

 

「仕事に疲れてしまった」「職場の人間関係の悩み」「仕事で失敗した」「職場環境が変わって順応できない」といった事を苦に、どうする事も出来ずに「死」という選択をするしかなかった人が、こんなにも沢山いるんです。
しかも、特殊な事情ではなく「疲れ切ってしまう」「人間関係でつまづく」「失敗から立ち直れない」「環境の変化」というようなことは、ごくごく身近なものです。

 

自死を選ぶ状況というのは、どうすることもできないのかもしれない状況なのだとは思いますが、もしも「勤務問題」で大きな悩みを抱えていたら、死を選ぶ前に働き方を変える選択をしてみませんか??
ひとりで頑張る必要はありませんし、相談したからといって必ずしも職場を変わる必要はなく「変えてもいいんだ」と思うだけで、また生きる力を持つことが出来たりします。
職場に産業医がいるのであればその人を頼ったり、信頼できるカウンセラーに話を聞いてもらったり、同僚に愚痴を聞いてもらう、転職エージェントを頼ってみる、何でもいいと思いますから「死」という選択をする前にSOSを出していい・白旗をあげていいと自分に対して許可してあげられますように。

 

死という選択肢を持ち出すまで深刻ではなくとも、仕事に疲れ切ってしまいほとほと困っている、人間関係での悩みが辛い、働き方の変化に伴い今の状況が合わないなど、仕事を変えたいと思われる方もいらっしゃると思いますが、ドットコム・マーケティングでは転職に関するお手伝いもしています。
あなたがより能力を発揮し輝く職場へ転職したい!と考えているのであれば、プロの力を借りるのも一案です!ご関心を持たれた方は、お気軽にお問い合わせください。

  
 
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