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2020.06.29 心のこと・心理学

見え方が男女で違う?色についての多様性

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様々な色彩

突然ですが「青」というと皆さんはどんな青色を想像しますか?
一口に青と言っても夏の青空のような色からグリーンがかった海の青まで「色の幅」というのか、色域は広く人によって捉え方は様々です。
今日はそんな【色について】のちょっと興味深い話をご紹介します。

 

●男性と女性で「見える数」が違う?!


男性と女性では、見えている「色域」が異なっていて、女性の方が認識できる色の範囲は広いと言われています。
過去に色彩関係の講座を担当していた時期があり、その時に調べた興味深い資料を図にしてみました。

男性7色、女性29色

一般に「虹の色」というと7色を連想すると思いますが、男性には「7色」に見える虹が女性には「29色」にも見えるのだそう!!

男性のピンクは「イチゴのようなピンクからサーモンピンクまでがひとくくりにピンク」に見えているのに対し、女性はわずかな色の違いを認識して「カーネーションのようなピンク」「イチゴのようなピンク」とその差を識別することができています。
メイク用品売り場など、ごくごく色の違う口紅が並んでいても、自分の好みの色を見つけられるのは女性ならではですよね。

男性に「こっちのピンクとこっちのピンクだとどっちがいい?」と見てもらっても「どっちでもいい」と気のない返事をされてイラッとした体験があるかもしれませんが、彼らは「色の違い」が見えていなくてどっちも同じに見えているのだとしたら…
どっちも同じ色だからどっちでもいいというのも仕方のないことかもしれませんね。

 

●なぜこのような違いがあるのでしょうか??

 
私たちは「目(視覚)」で色を見ていますが、目に映し出された色情報を脳を使って処理して識別しています。
どうやら脳での処理に関しては、男性ホルモンの影響や動体視力(狩りなどをして獲物を瞬時に捕まえる過去の狩猟時代の名残り)などから男女での違いがあり、男性の方が動体視力が優れていて、瞬時に動くものを処理する脳のニューロンが女性より多いと言われています。
 
このニューロンに影響を与えるのが男性ホルモン。
つまり、男性ホルモンの分泌が脳の処理能力に影響があるのでは??というようなことが研究されているそうです。
 
ずっとずっと昔の「男性が狩りをして」「女性が家や子供を守り木の実などを採取する」という時代の進化の過程で、男性は動体視力に優れ、女性は小さな色の変化(食べても安全か?子供の顔色や排泄物の色を見て体調を判断する…など)を敏感に判断できる色の識別能力が優れる傾向の性差ができたとも言われています。
動体視力という面からですが、女性はゆっくりと景色や外を眺めて楽しみますが、男性はすぐに飽きてしまう傾向があるそうです。
対して、男性はスピード感(動体視力)が必要なゲームやスポーツの方が見ていて楽しいと思うようで、ここにも男女の性差があるようです。
 
とにかく!!
脳での色を処理する能力が異なっていることから、男性と女性では見える色が異なっているそうです。
 
 

●特に違いが出るのが「黄」「緑」「青」

 
オレンジ色を思い描いてください、というと男性が「暖色より」の少し赤みの強いオレンジ色をイメージしやすいのに対し、女性はフルーツのオレンジである少し黄みがかった色をイメージできます。
 
 
性差による色の見え方の違い
 

 

このように男性は「赤み系の暖色より」に色を識別するため、寒色よりの【黄・緑・青】の識別が苦手です。
男性はひとくくりで【緑】と表現するのに対し、女性は「新緑のような緑」「深い海のような緑」というように、複数の緑色に関する識別をしています。

 

●あなたの見ている世界の色はどれくらい?


人間の目が色を識別するために「錐体(すいたい)細胞」というものがありますが、細胞の数によって次のように区分されます。

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◆2色型色覚 … 本来あるはずの3種類の視細胞のうち1つが欠けている。人口の25%が該当
◆3色型色覚 … 一般的な視細胞数。人口の約50%~70%
◆4色型色覚 … 基本的に女性にみられ、視細胞が1つ多く見えている色数が多い。人口の2~3%
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ここで実験をしてみます。
下の図を見て、何色あるように見えますか??

 

色見本

 

モニターの性能や色域によっても見え方が異なるので、あくまで「簡易テスト」なのですが、グラデーションしてる色の数を数えてみると、どのくらいあるようにみえているでしょうか??
 
正解は … 39色です。
 
同じ色が並んでいるように見える方もいると思うので、罫線をつけてみたものがこれです。
色が細かいため「目の錯覚」などを起こして縁が見ずらいかもしれませんが、39のボックスを用意し、微妙に異なる色を配置して色見本を作りました。
 
罫線付き色見本

※上の色見本と、下の黒い罫線を準備した色見本の塗りの色は全く同じです。
※下の色の方が濃く見えませんか??これは、黒い線が色に干渉して濃く見える目の錯覚です。目の錯覚についても面白いので、その話はまた別の機会にしたいと思います。

ちなみに、40色以上に見えている場合はモニターの性能や目の錯覚で違う色が見えている可能性があります。

 

◆20色以下の人【2色型色覚】
20人に1人の割合。通常3種類ある錐体細胞のうち、1つが欠けています。
女性では数百人に1人の割合で、黒やベージュ、青といった色を好む傾向があるそうです。
 
 
◆20~32色に見えた人【3色型色覚】
赤、青、緑の3種類の錐体細胞を持っており、これらを組み合わせて多種多様な色が見えています。
 
 
◆33~39色に見えた人【4色型色覚(可能性あり)】
赤、青、緑の3色の錐体細胞に加えて、黄錐体細胞を持ちあわせており、組み合わせることで1億色以上を判別できる色覚の持ち主。
大勢の「普通の色覚」の人には判別できないような色を知覚でき、色見本にもないような微妙な色の変化も感じられる。
世界の女性の2~3%が4色型色覚であると言われていますが、ごくわずかだという事が分かります。

 

●色覚多様性(color vision variation)とは?

 

自分にとって当たり前に見えている色が、人によっては違う色に見えていたりと、色の見え方は多様性があります。
少し前には「色盲」「色覚異常」というように言われて障害のように言われていましたが、現在では見え方は個人差があることから「色覚多様性」と言う言葉が提唱され、だんだんと広まっているようです。
 
このことに関して、とても面白い記事がありました。
「小城研究室」(https://drkojou.com/)というホームページの「色覚多様性」に関する記事です。
 
日本人男性の約5%は「赤や緑」の色の区別がつきづらいのだそうです。
5%というとAB型の血液型の人より多いのだとか!!
対して日本人女性で色の区別が難しい人は0.2%程度で、女性の方がやはり見えている色は多いようですね。
 
そして、記事の中ではとっても興味深い「色の見え方」に関する情報がありました。
 
色覚多様性図

 

一般的な色覚の範囲では「A」のようにサランラップのパッケージの色が見えています。
上から順に「緑」「赤」「青」です。
 
「B」や「C」の見え方をしているグループの色覚の人は、緑と赤の差があまりないのが分かります。
特に「C」のグループでは、彩度や明度の差もあまりなく、赤と緑はどちらもほぼ同じ色のように見えています。
 
「D」のグループの人は、緑と青の差があまりはっきりしていません。
 
このように、自分が違う色に見えている物が同じような色に見えている人に「赤と緑のこのTシャツ、どっちが似合うかなぁ?」などと質問しても「えー、どっちでもいいんじゃない?(だってどっちも大差ないし…)」と答えらえれてしまいます。
 
男性には赤と緑があまりはっきりしない「B」や「C」のグループの人が女性よりも多いことから、気のない返事は【違いが分かっていない】【見えていない】が原因なのかもしれませんね。
 
あなたの見ている世界と私の見ている世界は、まったく同じではなく、見えているようで見えていない事があることからも「自分の常識は相手の常識ではない」ということを、色の世界を通してご紹介してみました。
 
 

●おまけ

 
色について、私はどれくらい見えているのかな?というのをWeb上で簡易テストできるサイトがあります。
ちなみに私は割と見えている方だと思っているのですが、テストの結果「かなり色域が広い」(人間の目で見える可視光線範囲の色はだいたい識別できる)という結果になりました。
Webページを制作する際に「かなり色を多用する」タイプなのですが、原因はこれだったのか…
ただ、私が見ている色がハッキリしずらい人もいるのだと思うので、色は上手に使わないといけないなぁ、と改めて考えされられています。
 
★色彩感覚チェック
https://www.xrite.com/hue-test
 
★動物が見えている色の世界
https://youtu.be/6hYaT4gvjNc
 
最後にご紹介した動画を見ると、身近な動物(ネコちゃんやワンちゃんなど)がどんな色で世界を見ているかが分かって興味深かったです。
ザックリまとめると…
 
・犬 / 黄色と青色は見えるが赤が認識できないため、全体的に青っぽく見える。
・猫 / 犬と同様に黄色と青色が見え赤が認識できません。しかし、人よりも暗いところがよく見えます。
・鳥 / 人には見えない「紫外線」が見えていますが、人間には紫外線は見えないため動画を見ても分かりません。
・虫 / 鳥と同様に「紫外線」が見えます。視界は魚眼レンズのようになっています。
・蛇 / 暗くても明るく見える。サーモグラフィーのように温度の違いで物を見ることができます。
・サメ / 色覚を持っていないので灰色に見えています。血が赤いということをサメは知らないんです。
・魚 / 魚も「紫外線」が見えています。魚眼レンズのようになっていますが、色はほぼ人と同じように見えています。
・ネズミ / 赤の認識ができません。左右で視点を変えるというすごい技ができるようです。
 
 
こうやって見てみると「同じ世界」を見ていても、色も見え方も全く違うのだと気付くことで、多様性を認めやすくなりますね!!
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